Qt 3D Studio について

この記事は The Qt BlogIntroducing Qt 3D Studio を翻訳したものです。

執筆: Lars Knoll, 2017年2月20日

ここ数年、Qt の内外において 3D 技術を用いた UI 開発に関する様々な作業が続けられてきました。

本日は、近い将来 Qt の一部となる、非常に強力でデザイナーフレンドリーなツールの提供に向けて、大きな一歩を踏み出したことをみなさんと共有したいと思います。

NVIDIA により Qt のこれまでの歴史の中でも非常に大きな部類に入る貢献がなされました。デザイナーフレンドリーな 3D の UI オーサリングシステムである NVIDIA DRIVE™ Design Studio を Qt に貢献していただけることになりました。NVIDIA Design Studio は既に様々な業界の製品で幅広く使われている技術です。

この度の貢献は数十万行のソースコードからなり、ランタイムコンポーネントとデザイナーフレンドリーなツール、Qt への移植の3つになります。これにより、最先端の 3D のツールが Qt の世界で使えるようになります。この記事のタイトルのとおり、これを Qt 3D Studio という名前にすることにしました。

実際の動作は以下の動画をご覧ください:

[embed]https://youtu.be/YKuuDtEMjpk[/embed]

この移植をさらに進めて、デザイナーが簡単に 3D のユーザーインターフェースを Qt で書かれたアプリケーションで簡単に使えるようにするのが最終的なゴールで、Qt 3D Studio で作られた UI は Qt Quick や Qt 3D と一緒に使えるようになるでしょう。

Qt 3D Studio は Qt の既存の UI 技術(Qt Widgets や Qt Quick、Qt 3D)に取って変わるものではなく、それらと融合していく技術になります。
今回のソースコードや特にランタイムの移植では、やらなければならないことがまだたくさん残っています。一例として、オーサリングツールの UI には MFC で作られている部分があり、現在は Microsoft Windows 上でしか動作しません。今後これらのツールやランタイムを完全にクロスプラットフォーム化し、Qt がサポートするすべての OS、GPU に対応していく予定です。

Qt 3D Studio はオープンソースと商用ライセンスの両方で利用可能になる予定で、これまでの Qt 同様、オープンに開発が行われるようになるでしょう。ただ、NVIDIA からコントリビューションを受けてまだ日が浅いため、ソースコードをちゃんと公開できる状態に整理するにはしばらく時間がかかるかもしれません。というわけで、逐次情報を公開していく予定ではありますが、もうしばらくお待ちください。

私たちはこの Qt に対する貢献に非常に興奮しています。最後は NVIDIA への感謝の気持ちでこの記事を締めたいと思います。「どうもありがとう!」


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