「Qt @福岡 第0回勉強会」が開催されました

2010年9月4日(土曜日)に福岡の AIPカフェ で「Qt @福岡 第0回勉強会」が開催されました。ViVi という vi コマンドをサポートする Windows 用のテキストエディタの開発者で、Qt Creator の ViViPlugin の公開もしていらっしゃる 津田さん が中心となって企画された Qt の勉強会です。今回はお誘いを受けた事もあり参加させていただきました。

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勉強会の様子(※参加者のプライバシーに配慮しぼかしを入れています)

自己紹介タイム

参加者は12名。既に Qt を仕事や趣味などで使っていただいている方から今回が初めての方など様々な方が参加されていて、年齢層も幅広く、なんと佐賀や熊本から参加された方もいらっしゃいました。参加された理由は様々でしたが、皆さん非常に Qt に興味を持たれていた印象を受けました。

ほとんどの方がノートPCを持参していて、Windows をお使いの方が多く、Linux の方が3名。OS を選ばずに同じプログラミングができるのは Qt の利点の一つですね。また、既に Qt をお使いの方はデスクトップ向けで使われており、組み込みやモバイル向けで使われている方は今回はいなかったように思います。

Qt SDK 2010.04 のインストールと Hello World

津田さんによるセッションで、Qt での開発を始めるための準備を行い、最初の Qt アプリケーションを開発しました。Qt SDK のダウンロードとインストール、Qt Creator の日本語化を行なったあとで、Qt Creator を使用し Hello World を作成するという内容をハンズオン形式で進められました。

ダウンロードとインストールには会場のネットワーク環境などの問題もあり予想以上に時間がかかっていましたが、皆さんのノートPCに Qt の開発環境が無事インストールされました。

Qt SDK はサイズが大きく、インストールにも時間がかかることが予想されるため、今後このような勉強会を開催される際には以下の記事を参考に、事前インストールを済ませておくとよいかもしれません。

Hello World の作成は UI デザイナを使用したものと、[qt QWidget paintEvent] を使用した2つのパターンで作成し、Qt アプリの基本的な開発を体験されていました。

さらに次のステップとして、日本語での表示などにも挑戦されていました。

今回はソースに埋め込んだ日本語リテラルを表示する という課題だったため、[qt QTextCodec] を使用して文字列の変換を行なっていましたが、この方法ではソースファイルの文字コードに注意したり、コンパイラなどの環境によって使用するコーデックを変更する必要がある場合もありますので、様々な言語に対応する場合には Qt が提供する国際化のための仕組みの利用を推奨します。詳細はドキュメント [qt "Internationalization with Qt" l="internationalization"] を参照してください。

Qt の概要説明

Qt を長年お使いいただいているという長谷川さんによる、Qt で開発を進めていくための手法についてのセッションです。Qt デザイナの使い方やシグナル/スロットのつなぎ方などを中心に Qt の様々な仕組みについての解説でした。

moc や uic についても説明があり、Qt デザイナを使用したシグナル/スロットの接続については非常に多くの質問がありました。

次回以降の勉強会について

今後の進め方やどんな内容についてカバーしていくのかを話し合いました。技術的に深く踏み込んだ内容や、既に Qt を使用してビジネスをされている方による実践的な内容のセッションも行なわれる予定となっていて、今後も非常に楽しみです。

今回の勉強会の内容や今後の活動については Qt@福岡 | Google グループ にて公開されています。次回の勉強会は10月23日に開催される予定になっていますので、福岡及び近隣の方で Qt をお使いの方や Qt に興味がある方は是非参加してはいかがでしょうか。

勉強会の最後に Qt ロゴが入ったボールペンとネックストラップを参加者全員に配らせていただきました。非常に喜んでいただきこちらとしても大変嬉しかったです。

Qt に対する質問やフィードバック

勉強会やそのあと開催された懇親会を通じて Qt に対しての様々なフィードバックをいただいたので、一部をここで紹介します。

  • Qt の本の英語版でオンラインで公開されているものがあったはずですが、どこからたどれますか?
    → Qt 4.6 のドキュメントではトップページの「Getting Started」カテゴリの中の「First Steps with Qt」のリンクをクリックした先の「Books and Learning Materials」の説明の中にリンクがあります。Qt 4.7 のドキュメントでは、トップページの左上「How to learn Qt」のリンクをクリックした先の「Books and Learning Materials」の説明の中になります。
  • インターネットで Qt についての検索をしても QuickTime がヒットするため目的の情報にたどり着きづらい。
    → -quicktime を同時に指定してください。
  • バグを見つけました
    バグレポートの方法」にしたがって報告してください。また、コードの修正を Qt にフィードバックする方法も提供しています。是非ご協力ください。
  • Qt SDK 2010.04 に含まれる Qt Creater を日本語化する方法は「Qt Creator 2.0 を日本語化する」に書いてあるが、日本語化メッセージファイルのコピー先のパスが qt-creator をインストールした場合のもので、Qt SDK の場合はパスを読み替える必要がある。
  • Qt Labs Japan では Qt SDK のインストールの方法などがカバーされているが探しづらいので、トップページに初心者向けのナビゲーションがあるといいのでは。
  • Qt にはデモやサンプルコードが多く含まれているが、ソースコードのライセンスが LGPL で提供されているため商用のアプリケーションを開発する場合にはそれらのコードを使用できないのでなんとかしてほしい。

こちらで対応できるものについては順次対応していきたいと思います。また、今回参加された方で他にもフィードバックがありましたらコメントしていただければと思います。

おわりに

今回はお誘いいただきありがとうございました。

Qt のプログラミングを始めたり、進めていく上では色々分からないこともあるかと思いますが、Qt に関する様々なことを気軽に質問したり、教えていただけたりという非常に貴重な機会であったと思います。また、Qt のユーザーさん同士のつながりができることで、さらに Qt のプログラミングが楽しくなると思いますので、どんどんこういった活動を広げていっていただければと思います。

個人的にも Qt ユーザーの方にお会いして様々な意見を聞いたり、勉強会の楽しい雰囲気を感じたり、Hello World が動いた瞬間の感動に出会えたりと、とても有意義なものでした。微力ではありますが、これからも様々な形で協力できればと思います。

最後に、他の地域でもこういった勉強会などの企画がありましたら是非「お問い合わせ」よりお知らせください。都合が合う限り参加したいと思っています。


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