Qt SDK 1.1 リリース

この記事は Qt Blog の "Qt SDK 1.1 released" を翻訳したものです。
執筆: Maurice Kalinowski 2011年5月4日

本日、Qt SDK 1.1 のリリースをアナウンスします。ここに至るまでは長い道のりでした。多くの方をお待たせすることとなってしまいました。リリースの詳細に入る前に、ダウンロード用のリンクを示しておきます:

プラットフォーム オンラインインストーラ オフラインインストーラ
Microsoft Windows 15MB 1,5GB
Linux 32bit 23MB 687MB
Linux 64bit 23MB 690MB
Mac OS-X 12MB 680MB

Forum Nokia の Web ページ からも入手できます。また、以前のバージョンの Qt SDK をインストール済みであれば、アップデート通知を受け取って、メンテナンスツールから全ての変更をダウンロードすることも可能です。

リリース候補版から正式リリース版までの細かな違いに言及するよりもむしろ、Nokia Qt SDK 1.0 と比べて Qt SDK 1.1 に含まれているものや主な改良点に焦点を当てさせてください。

  • このリリースは Qt Quick アプリケーションを含む、Qt 4.7 ベースのアプリケーションを Ovi Store で公開可能な最初の Qt SDK です。
  • Qt SDK 1.1 は以前リリースしていた異なった SDK を統一したものです。モバイル開発者向けと同様にデスクトップ開発者にも向けたリリースで、アプリケーションを新しいプラットフォームで試し、簡単に移植できるようになります。
  • Qt Mobility 1.1 はモバイルアプリケーションへの新たな一歩です。Qt Quick バインディングと組み合わせると、本当にパワフルでリッチなアプリケーションが作成できるでしょう。
  • Qt Creator 2.1 はアプリケーションの作成に必要な全てのツールと機能を提供する開発環境です。
  • Qt Simulator 1.1 は最新の Qt および Qt Mobility と新しく追加されたユースケースのシミュレートをサポートするための多くのアップデートが行われました。また、新しい機種も追加されています。
  • Symbian 向けの補足パッケージでは、Symbian^3 向け開発環境で使用されるネイティブ API をインストールできるようになりました。これによってネイティブの機能を利用するのに必要だったプラットフォーム SDK が不要となり、開発環境のセットアップが簡単になります。
  • リモートコンパイラを使うと、全ての Nokia がサポートするプラットフォーム向けのプロジェクトを Linux や Mac の開発環境からでもコンパイルできます。

サポートする API とプラットフォームのリストを以下の表にまとめました:

デスクトップ Qt Simulator Symbian^3 Symbian ^1 Maemo5
Qt 4.7.3 4.7.3 4.7.3 4.7.3 4.7.0
Qt Mobility 1.1.3 1.1.3 1.1.3 1.1.3 1.0.2

それぞれのホストオペレーティングシステムでサポートするターゲットを以下にまとめます:

ターゲット Microsoft Windows Linux Mac OS-X
デスクトップ
Qt Simulator
Symbian^3 (リモートコンパイラ) (リモートコンパイラ)
Symbian^1 (リモートコンパイラ) (リモートコンパイラ)
Maemo5

何か問題に遭遇した場合、http://bugreports.qt.nokia.com でバグを報告してください。

最後に補足しておきたいことがあります。Qt SDK はこれからもアップデート通知を受け取るでしょう。Qt Creator 2.2 はほとんど 完成 しており、リリースの際には Qt SDK に含まれるようになるでしょう。また、新しいデバイスのサポートや機能のアップデートは既にインストールされている環境に対して提供されるでしょう。新しい SDK の再インストールは要求されません。


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