Qt SDK 1.1 ベータ版で、ほんの1日で出来ること

この記事は The Qt Blog の “From Qt SDK 1.1 Beta to an app in just a day” を翻訳したものです。
執筆: Carol Røsland 2011年3月9日

前週に出会った tweet はすぐに私の好奇心を刺激しました。それは、病気になった息子さんと一緒に家で過ごした1日についてのある父親の tweet でした。その日、彼らは一緒に Qt Quick ゲームアプリ "DoodleDrive" をデザイン・開発をしたのです。私はすぐに受話器をとり、その方に新しい Qt SDK 1.1 ベータ版の感想を尋ねたところ、私の予想通り簡単に使えることにとても驚かれたそうです。
(訳注: Qt SDK 1.1 正式版は リリース済み です。)

Tommi Laukkanen さんは、これまで Qt を使ったことは無く C++ プログラマでもありません。フィンランド人ではありますが、現在も過去も Nokia で働いたことは全くありません。彼はソフトウェアエンジニアで、主にエンタープライズ向けソフトウェアの開発を仕事としています。自分の (C++以外の) プログラミングスキルを Qt で試すことのできる Qt Quick を彼は待ち望んでいました。新しく出たインストール簡単な Qt SDK 1.1 ベータ版に Qt Quick は含まれており彼の Mac にも対応していたので、すぐに試すことができました。

息子さんのデザインの才能を活かして、彼は Nokia N8 の 12M ピクセルカメラで息子さんのイタズラ書きをキャプチャし、写真エディタでイメージを切り取った png ファイルを Qt Creator にインポートしました。次に Qt Quick の JavaScript のような言語、QML にて UI を作り始めました。Tommi さんは「本当に簡単でした。数個の長方形を使ったとても素敵な UI が、あっという間にできました。QML ではゲームの状態も簡単に扱えましたし、アニメーションにも対応しました。Qt アニメーションフレームワークは、シンプルに使うことができました。息子は最強のボスで、すぐに結果を求めます。何時間という単位ではなく、何分という単位でです。ですので、すぐにアニメーションを変更することができるのは非常に助かりました。」と話してくれました。

Tommi さんは、できあがったものに対して彼の友達がとても感心したとも教えてくれました。その友達は、跳ね返る効果などのアニメーションが物理的に計算されていると思っていましたが、そんな必要は無かったことを説明しました。彼が跳ね返る効果を作るためにやったことは、ただ QML を使って遷移のイージングカーブのパラメータを設定しただけでした。「物理プログラミングに見えますが、違います。」と Tommi さんは締めくくりました。すべての作業は Mac で行われ、コンパイルの際にはリモートコンパイラーを駆使しましたが、これはとてもスムーズに動作しました。

http://vimeo.com/20579228

「上の息子が少し具合が悪かったので、今日は子供たちと一緒に家で過ごしました。いつものように子供たちは何をして過ごしたらいいのか分からず、その前日にリリースされたばかりの最新の Qt SDK 1.1 ベータ版を使ってシンプルなゲームを作ることを私が思いつき実行しました :) このようにして、ちょっとした "ドキュメンタリー" が出来上がりました。」

DoodleDrive – Game Jam Afternoon Tommi Laukkanen 作  Vimeo にて

Tommi さんは以前に Ovi Store にて公開 したことがあり、DoodleDrive もそこに登録しようと計画しています。Qt はクロスプラットフォームなので、Symbian^3 デバイスから Maemo 5 へのターゲット変更もコードを再利用して簡単にできました。ですので、DoodleDrive は N8・C7・E7 (基本的には、すべての Symbian^3 デバイス)と N900 で動作します。彼の次の Qt Quick プロジェクトは Facebook クライアント です。彼が趣味でモバイルアプリを作るのは、ただ彼の必要なアプリを作っているだけだそうです。おそらく「正しく行いたいなら、自分でやるしかない」という格言が当てはまるのでしょう。彼は間違いなく Ovi Store がすべての彼のアプリを公開する場だと話しました。

DoodleDrive に興味がある方は、Tommi さんの Forum Nokia プロジェクト をご参照ください。彼はソースコードもアップロードしているので、シンプルなゲームを 300 行以下の QML でどうやって作ったのかをご覧頂けます。彼はもっと詳しいことを、彼のブログ www.substanceofcode.com でも 紹介しています。また、我々は Tommi さんを Qt Ambassador プログラムに迎え入れたいと考えています。DoodleDrive は間もなく Qt Ambassador Showcase にもアップされる予定です。
(訳注: 既に こちら にアップされています。)


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