Qt 4.8.0 リリース

この記事は Qt Blog の "Qt 4.8.0 Released" を翻訳したものです。
執筆: Sinan Tanilkan, 2011年12月15日

本日 Qt は1つのとても重要な進歩のマイルストーンに達しました。Qt 4.8.0 のリリースをアナウンスします。Qt 4.8.0 をお届けするにあたって、多くの開発者が長期間に渡って尽力しました。この結果、成熟したリリースに至ったことを非常にうれしく思います。

Qt Platform Abstraction や、OpenGL でのスレッド対応、HTTP アクセスのスレッド対応、ファイルシステムアクセスの最適化などの機能が追加された Qt 4.8.0 のバイナリ/ソースパッケージは Qt のダウンロードページ から入手していただけます。

Qt 4.8.0 の新機能

Qt 4.8 を初期段階からテストしていただいてきた方々はすでにご存知だと思いますが、Qt 4.8.0 の新機能をいくつか紹介します。

  • Qt Platform Abstraction (QPA)
    QPA は Qt の様々なウィンドウシステムや端末への移植を簡単にするために GUI スタックを再構成したものです。詳細は「Lighthouse は立派に成長しました」を御覧下さい。
  • OpenGL のスレッド対応
    OpenGL の ニンジャ ではない我々でも OpenGL の描画を複数のスレッドから並列に行うことができるようになりました。詳細は「Qt 4.8 での OpenGL のスレッド利用」を御覧下さい。
  • HTTP アクセスのスレッド対応
    HTTP のリクエストはデフォルトで別スレッドでハンドルされるようになりました。これによりネットワークはメインのイベントループを使用しなくなったため、アプリケーションの描画はスムーズになるでしょう。詳細は「QNetworkAccessManager での HTTP のスレッド化」を御覧下さい。
  • ファイルシステムアクセスの最適化
    ファイルシステムスタックの内部に対して大規模な改善がなされました。I/O 関連のシステムコールを減らし、可能な場合にはキャッシュをなるべく使用することにより、I/O のパフォーマンスが改善しました。この恩恵はすべてのプラットフォームで受けられます。

Qt 4.8.0 には QtWebKit 2.2.1 が含まれます。Qt 4.8.0 に含まれる変更の詳細は「Qt 4.8 ベータ版リリース」を参照してください。

ダウンロード

Qt 4.8.0 のソースおよびバイナリパッケージは Qt のダウンロードページ から入手していただけます。ソースコードについては ソースリポジトリ からも取得が可能で、このリリースに該当するものには "v4.8.0" のタグがつけられています。また、ドキュメント は Qt を Qt Project に移行する関係で Qt Developer network に移動しています。

フィードバック

これまで Qt 4.8 に対していただいたすべてのフィードバックと貢献に感謝をいたします。今後もフィードバックは Qt バグトラッカー へお願いします。

Qt Project

Qt 4 の Qt Project への移行を現在進めているところで、(Qt 5 ですでに利用しているインフラと同じ) Gerrit を利用することで Qt 4 に対する貢献も簡単になるでしょう。実現にはもう少し時間がかかりますが、楽しみにしていてください。

慣例

マイナーリリースのアナウンスの慣例に従って、このリリースを成し遂げた開発者を写真で紹介します。

貢献していただいたすべての方に感謝します。我々は今後みなさんが開発される素晴らしいアプリケーションを楽しみにしています。

ベルリンのチーム

ブリスベンのチーム

ミュンヘンのチーム

オスロのチーム

タンペレのチーム


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